第14回障がい者スポーツ指導者全国研修会に参加して

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IMG_3543 平成30年12月15、16の両日(土、日)に県立広島大学広島キャンパスで開催された掲題の研修会に、本会会員であるHappyハルさんこと北村はる美さんが参加されました。この度事務局から依頼してその体験記を投稿していただきましたので、長文ですが紹介させていただきます。なお、Happyハルさんは数年前の脳内出血による左半身麻痺のある方です。障がいのある方がこのような遠方の移動を伴う研修会に参加することが如何に大変かなことかを改めて感じるとともに、またそれでも自己啓発/自己実現を意識して参加するハルさんの強い意思を感じました。以下、ハルさんの投稿です。
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バス停の10m手前で土浦駅行きのバスを見送ることになってしまった。そういえば先ほど、私の横を足早に追い抜いて行った女性がバスに乗り込む姿が見えた。通常は時刻表よりも10分以上は遅れて到着するバスも朝一番であれば、ほぼ定刻通りに着くのだと納得する。あと少しだったのにと思いながら、まだ暗い早朝の冷たい空気の中、次のバスを30分以上待つことになった。ここから2つ先の停留所まで歩けば、もう少し早いバスがあるかも知れない。しかし何も慌てる必要はない広島には今日中に着けば良いのだから。
 何故か今朝はいつもより歩き方が変だとても歩きにくい、少し重いリュックを背負っているからだろう、やはりキャリーバックにするべきだった、などと考えていたら6時半頃バスが来た。一番バスを逃したものの、東京駅8時30分発の「のぞみ」に無事乗車、しかも自由席に着席出来た。昨日から用意し持参した朝食を食べてみる、一口二口食べてもう食べられない。飲み物さえ美味しくない。そうだ、昨夜は孫娘のバースデーホームパーティーだった。久しぶりの家飲みで、娘の旦那さんとかなりの量を飲んでしまった。食欲の無さも歩きにくさも、そうだ二日酔いなんだ。後悔しても仕方ない、自分で撒いた種、これからしっかり二日間の研修を頑張るしかない。何ヵ月も前から計画していた全国研修会への参加だもの。原爆ドームを見たいと望んでいたところでの県立広島大学開催、第14回障がい者スポーツ指導者全国研修会。参加を迷うことなく即座に決めて、東広島市にホテルを予約したのだから。
 12時半過ぎに広島駅到着。前もって調べておいた市内循環バス「ひろしまめいぷるーぷ」に乗り込む。一日乗車券は大人ひとり400円で3つのルートすべて乗り降り自由と教えて頂いた。最初に乗ったのは「グリーンルート」次に「レモンルート」最後は「オレンジルート」。3ルート共巡る順番は違うものの、原爆ドーム、平和記念公園、平和記念資料館、広島城、県立美術館、広島美術館、現代美術館、広島市内の観光名所をぐるっとまわってくれる。本来ならば訪ねたい場所で降車し、時間を過ごしてから次のバスを待つのだろうけれど、車窓からの眺めで満足しようと考え3ルートすべてを乗ることにした。車内の観光ガイドアナウンスを聞きながら、何度も眺めた原爆ドーム、平和記念公園。
 車窓から見える広島市内はとても綺麗だった。原爆投下の目印となった橋を渡り眼下の川を見ながら、水を求めた被爆者がその身を投じた川なのだろうか。平和記念公園に立つ幼子を抱いた母親の像に供えられた千羽鶴。車窓からではあったけれど、何度も手を合わせた。三時間半ほどを市内循環バスに費やし、ホテルがある東広島市へ向かう電車に乗ったのは4時を過ぎていた。広島駅から山陽本線で西条という駅までは45分程度かかると問い合わせた際に聞いていた。山陽本線は3両の電車で、夕方のせいか混んでいたけれど、席を譲っていただけた。広島市内には豪雨被害を感じさせる場所はなかったが、西条へ向かう途中には至るところに豪雨被害の痕跡があった。高く積み上げられた土嚢、削られた斜面に敷かれたブルーシート、川には流されてきたであろう岩や木々、電柱まであった。電車の速度をかなり落とす箇所もあり、復興にはまだまだ時間が必要なのだと思った。西条駅到着時にはすっかり陽が落ちていたので、タクシーでホテルを目指した。歩くこともあるだろうと考え道順を覚えるべくしっかりと景色を眺めながらタクシーに揺られていると、東広島市役所の手前にある広場のようなところに仮設の建物があり、数本の幟が見えた。日本酒とおぼしき名前や蒸し牡蠣と書いてある。さすが広島!と感心しているうちに右折したタクシーはホテルの玄関に着いた。
 フロントでキーと用意してくださった広島大学行きのバス時刻表を受け取り部屋へ。最寄りバス停の位置を確認しながら夕食を済ませようと考えホテルを出たけれど、ごく近くには九州ラーメンのお店しか見つけられず、ローソンで済ませることに。今日は疲れたから我慢して明日、明日は美味しい物を食べよう。自宅の近くのバス停とは趣が全く違うバス停をやっと見つけ、安心して部屋に戻った。
 頂いたバス時刻表には広島大学とおぼしき停留所名は3ヵ所あったので、11月に入ってから郵送されてきた案内書と照らし合わせ確認した。けれど悲しいかな、まったく理解出来なかった。仕方ないのでフロントへ行き、案内書を見せ尋ねてみたところ、「この会場は広島市内ですね。」「えっ?」広島大学は東広島市にあるものだと。かつて留学していたベトナム人からも聞いていたし、何の知識も持っていない私がホテルを予約出来たのも、インターネットで調べて東広島市に間違いないと確信したからなのに。フロントで対応してくださった男性スタッフさんは、「これから二日間ですよね、どうしましょうか?」私より困惑した顔で尋ねる。取り返しのつかないミスをしてしまったけれど、これもまた自分が撒いた種。「大丈夫です、明日の朝西条駅に行くバスはこのバス停でよろしいのですよね、それから広島駅に行きタクシーで広島大学広島キャンパスに向かいます。」「受講後はまた電車で帰って来ます。明後日の朝もまた同じルートで大学に行きます!大丈夫です。」キャンセルでも、と言いかけたスタッフさんは本当に良いのですか、私どももお泊まり頂けるのは嬉しいですが、と。
翌日広島駅から乗車したタクシーの運転手さんに行き先を告げても直ぐに理解したような返事はありません。案内書を見て、目印の市民病院を見つけ、やっと間違いないと理解したようだった。やはり広島大学といえば東広島市なんだなぁ、広島大学広島キャンパスはまだ広く浸透していないのだろうという思いを深めながらの到着。なるべく近くまでとお願いし、タクシーで入っても差し支えない場所に下ろしてもらったけれど、尋ねるインフォメーション所もなく案内板もないので、郵送されてきた案内書にある当日連絡先に電話をした。けれど忙しいのかつながらない。困ったなと、通りを眺めていたら宅配便のトラックが入って来た。そして建物の中からそのトラックに向かって小走りに近づいて行く人を発見。私の歩く速度では追いつくはずはないので、大きな声で「すみませ~ん」。会場まで案内していただけた。受付開始の二時間も前の到着に、「講師の方ですか」と尋ねられてしまう。でも、もう安心。あとは時間がきたら受付をして、プログラム通りに受講すれば良いのだから。
 11:30、この日の午後に受ける分科会ごとの受付で関係書類と名札を頂き、開講式とシンポジウムの会場に着席した。植田敏郎先生を座長とするシンポジウムは、「障がい者スポーツを広げる(多様な連携と新たな創造)」をテーマに3人のシンポジニストがそれぞれの立場からそれぞれの活動を発表した。参加者からの質問もあり、時間は少し足りないくらいだった。
 その後私が受講した第1分科会は「運動が苦手な子どものスポーツ指導」、講師はむさしの発達支援センターの森山徹先生。発達性協調運動症(DCD)という発達障がいのひとつであり、ただ単に苦手、好きではない、ということではないとの講義を受けた。17:30終了時には当然真っ暗。広島駅に行く路面電車の駅を探さなければならないけれど、真っ暗な中、片手でのスマホ操作は難しく、たぶん受講されたであろう人に聞くしかない。折よく尋ねた方は秋田県から参加された男女で、私達も行くから一緒にどうぞと言ってくれた。路面電車の駅を目指す道すがら話しをしていたらなんと、向 仁子さんをご存知と言うので驚いた。別れ際には取手での再会を約束した。8時過ぎに西条駅到着、今日は広島のごちそうを食べようと心に決め、ホテルまでの道すがら、私が入れそうなお店を覗いたけれど、土曜日だからかどこも満席。昨日確認した広場の店舗も今夜は貸し切りです、と断られてしまった。疲れた足でホテル到着。そして夕食はまたコンビニ調達。
 翌日は日曜日なので、西条駅に向かうバスは8時半が一番早いバス、これでは間に合わない。フロントに翌朝のタクシーを予約し、モーニングコールを頼み床についた。
 雨予報の日曜日、幸い雨は降らず大学へ到着。9時からの第3分科会「メンタルトレーニング」の教室には一番乗りだった。講師は日本大学の橋口泰一先生。私が勉強しているコーチングと重なるような講義内容、受講者同士がグループになって意見を出し合う賑やかな勉強はあっと言う間の時間だった。12:00終了時には雨が降りだしていた。予約していたタクシーに、同じ分科会を受講していたつくばから参加の女性をお誘いして、小雨の中広島駅へと向かった。車中、宮島にも行きたいけれど、雨だしこんなに寒い時期ではもったいないよねと。広島にはまたゆっくり観光で来なければならないねと話した。広島駅からののぞみは比較的空いていたので、やはり自由席ながら着席出来た。やっとありついた広島名物、蒸し牡蠣のお弁当をゆっくり味わいながら帰路に着いた。
 因みに、来年の全国研修会は北海道。受付で頂いた資料の中に旭川の観光案内パンフレットが入っていたから会場は旭川なのかな。秋田の男性は参加されると言っていたけれど、冬の北海道は、私にはハードルが高過ぎる。40年も前に一度行ったきりの北海道だから、魅力的ではあるけれど。